ここから一番遠い海

夢日記,昔話

夢の話:最近訪れた場所

最近夢の中で色んな場所に行くのだがどこにいる時も大体ちょっと疲れてたり焦ってたりして目覚めが良くない

 

■屋根裏部屋

 

祖父母の家の屋根裏部屋にいる。埃っぽくていつのものともわからないような古い古い風呂敷や段ボールがある。

少しくすんだ黄金色のヤカンがある。大きい。運動部の選手が開けた口にそのまま水や麦茶を入れるためにあるような大きいヤカン。注ぎ口の猫脚のような曲線が妙に艶めかしい。

天窓から差し込む光に漂う埃が何故かたまらなく親密で優しい存在に感じられる。

 

私の見る夢はいつも音も香りも、色もないのに、ここは匂いがした。古い家屋の中にある埃っぽい香り。でも、あの、じめりとした陰鬱な感じはない。埃っぽくて静かで孤独ではある。でも、嫌な感じがない。心地よい親密さ。仄暗さではなく、仄明かるさを描写したくなるようなほこりの美しい舞。

 

どこかに死んでしまった祖父の気配を感じられるからなんだろうか。

 

じいちゃんが暮らしてた部屋は、ずっと時間が止まっている。カーテンに閉ざされてるせいでたまるむわりとした熱気と、ほこりの匂い。充満する優しい、小さな頃の思い出。

 

■バスの中、引越し先

2階建てのスーパーの上が古びたマンションになっていて、その6階に引っ越すことになった。

ものすごく条件のいいとこに引っ越せた、とウキウキしているところから夢が始まったけど、新しい部屋に行くためには、スーパーの従業員用エレベーターに乗らなきゃならないとわかってから雲行きが怪しくなってくる。

野菜売り場や果物売り場なんかはあんなに煌々と明るいのにそのエレベーターの周りはどんより暗い。

誰も使わない階段のそばにあるそのエレベーターの周りに、季節外れの除雪用シャベルなんかが売っている。フロアのタイルもそこだけ古ぼけたワインレッドカラーだ。

 

喧騒に満ちた、でもものすごく薄暗い一角を離れてエレベーターの箱に乗り込む。

自分のテリトリーに入った、という心地よい閉塞感も束の間、信じられないくらいエレベーターが揺れる。

2階から6階まで上がっているだけなのに、ものすごい揺れがずっと続く。怖い。というか、酔いそうだ。

 

やっと新しい自分の部屋に辿り着いたのに、あまりにもエレベーターの乗り心地が悪くて、なんていう部屋に入居することになってしまったんだと悔しい気持ちでいっぱいになる。

 

どうにか今住んでる自分の部屋に戻りたい、あの部屋に住み続けたい、と屋外に出て、自宅に向かうバスに乗り込む。

そのバスはイトマンスイミングスクールの送迎バスで、2階建てのオープンカー使用になっていた。

自分の家に向かう道すがら、プール帰りの女性がぞろぞろと周りに着席していく。

やっと家の前のバス停についた時には、濡れた髪にタオルを肩にかけた女性に囲まれてバスから降りられない。私は家に帰りたいだけなのに。

 

そうやって苦しんでいたらそこで目が覚めた。