ここから一番遠い海

夢日記,昔話

夢:だからMicrosoft Wordは嫌いなんだよ

喋った言葉が頭上の「フキダシ」に文字として投影される仕組みができた。喋った言葉が即座に文字になって頭上に浮き上がるやつだ。

 

私はシンガポールのでかいショッピングモールにいる。アウトレットにありがちな、きれいな白い中庭を階下に、テラスのような場所で迷子になっていた。誰かとはぐれてここにいるような気がする。その「誰か」というのは複数人のような気がするし、その人たちは、私が個人的な意思や希望をぐっと飲みこんで、物静かにやり過ごさなきゃならない、そんな関係性の人たちのような気がする。気の合わないクラスメイトと一緒にまるで興味のない班行動をしなきゃならない修学旅行のような感じ。

 

非を受けてさらに白く反射して光る中庭やそこにある噴水から目を離し右手側を見ると、ショーウィンドウの中にポケモンサンエックス、サンリオなんかのキャラクターのぬいぐるみがぎゅうぎゅうに押し込まれている。ショッピングモールというより、捨てられずに溜まっていくぬいぐるみたちの墓場だ。

 

急にあたりがほの暗く薄汚い場所になった。シンガポールのあの真っ白で暑くて清潔で知的な印象が消え、ただそこがアジアであるとわかるだけの猥雑さが残された。

 

急に不安と焦りが湧き出て、はぐれた人たちに合流しなきゃいけない、と、くたびれたイタリアンレストランに入る。恰幅の良い中国系の女性が英語で話しかけて来る。英語が通じることに安心する。いまや3D字幕投影システムがあるので、仮に英語が聞き取れなくなったとしても、彼女の頭上にある「フキダシ」を見れば意思の疎通には困らない。「○○はすでにチェックしたか?」というような質問をされる。私はすでにそれに関する確認を終えてそれでもなお迷子が解決していないことを答えようとする。「Year, I have already checked ...」と発言すると、私の頭上のフキダシにも小気味よく英単語が現れていく。

はずだった。

 

どう頑張っても「I have already checked」以降の言葉が音声認識・文字出力されない。なぜだ?と頭上のフキダシをまじまじと見ると,「checked」の出力箇所が「ed」になっており、勝手に変換待機しているではないか。

 

だからMicrosoft Wordは嫌なんだよ。しなくていい字下げをしたり、しなくていい先頭文字の大文字変換をしたり、と悪態をつく。世界標準のシステムになぜ記号変換を入れようとするんだ?馬鹿じゃないのか?

 

そこらへんで目が覚めた。