ここから一番遠い海

夢日記,昔話

肉筆

付き合っている人と一緒に暮らすことになり、慌ただしく家の中を整理しているとおばあちゃんが生前私に書いてくれた手紙がそっとでてくる。 トメ・ハネが、ありありとわかるような力強い筆圧のボールペン字を見ているとばあちゃんのからだがもうこの世にない…

装うことを軽んじない

美容師さんと「最近格好いい服装の人が少ないよね」という話をする。そう、かっこいい装いの人というのが最近かなり少ないのだ。- とりあえずGUかユニクロか無印良品でみたいな若い人、本当につまらないよね。- 私服の制服化も結構ですけどなんか味気ないで…

滅茶苦茶な気持ちの日に

人に優しくしてもらってどうにかどうにか、滅茶滅茶な気分を乗り越えられたこと、救われたことを普段忘れてる。 普段そんなことがあったなんて全く忘れているし、これまでもこれからも心身ともに健やかに涙なんて流さず生きている気がするけど。 たまにハッ…

夢:だからMicrosoft Wordは嫌いなんだよ

喋った言葉が頭上の「フキダシ」に文字として投影される仕組みができた。喋った言葉が即座に文字になって頭上に浮き上がるやつだ。 私はシンガポールのでかいショッピングモールにいる。アウトレットにありがちな、きれいな白い中庭を階下に、テラスのような…

ワンクール終わった

以前好きだったその男の子と職場が一緒なので顔を合わさないわけにはいかない日々が続いている。彼には告白してしっかり振られた。わざわざ「わたし、もう好きな人が別にいて付き合っていて互いの家族にも紹介しあっているんです」と報告するのもおかしな話…

喫茶店とカフェの違い

もう3年も前のことになるけど、勤めていた会社や、ひっきりなしに耳をつんざくような救急車のサイレンが聞こえるアパートがある練馬区が、東京が嫌で嫌でしょうがなかった時、小さな喫茶店によく足を運んだ。 レトロでかわいらしいプリンやフルーツポンチに…

読書・沼の底・版木

実家に帰ってのんびり過ごしていると、最近読書の習慣が保てていないということに急に気づかされる。 読書の習慣や読書に求めるものは、幼少期と最近でもう、がらりと変わってしまった。かつては目が覚めるような何かや時間があっという間に過ぎていくあの感…

スタンプラリー

付き合っている人と実家のある北海道に遊びに行くことにした。電話越しに、父親がはっと固まるような雰囲気を感じた気がした一瞬ののち、北海道のどこを通ってくるんだ、とか、車で来るのか、父親がと矢継ぎ早に聞いてきたりする。「いや別にそんな真剣な感…

梅雨・冬

新しく恋人ができてから、体が死体になっちゃったみたいに感じられる、あの精神的不調がなかなかない。回りくどい言い方になっちゃったけど、つまり、なんか調子がよい気がする。 誰かに大切にしてもらったりするだけでこんなに調子がよく毎日朗らかに過ごせ…

あれから・新しく恋人ができる

片思いをしていた男の子に振られてから、なんでか急にいろいろなことが回りだした。こんなにいろいろ簡単にがらりと変わってくれるんなら、失恋する前にそういう流れが来てほしかった。そうしてくれたら、日々のあわただしさの中で、あの恋心がおのずとしぼ…

土の香り

水木しげるの「のんのんばあとオレ」のあとがきで、戦争のさなか、もげてしまった片腕から土の香りがしたというようなことが書いてあった気がする。土人という言葉が悪口なのはおかしいということを述べていた箇所だった気がする。土の香りがするってとって…

くろしおという名の船、black tideのビール

酔っ払ってフラフラになりながら、毎晩言いたくて眠る前に胸をキリキリさせてた「付き合ってください」を、好きな男の子に伝えた夜、本当はそういう言葉を伝える覚悟なんて全然なかった。 好きな男の子と、最近割とたくさんおしゃべりできていて、それが割と…

さようなら片思い

好きな男の子にフラれてしまいました。相手も自分が好きだったりするのかな…とすこぉーし期待して過ごす日々をかなり楽しんでた節があったので、やっぱり振られた時はちょっと、どころでなく、かなり、胸がずんと痛かったです。 好きな男の子はやっぱりあん…

共通テスト・シアトル・学位論文

気づいたら二月になっててびっくりした。 1月って大学で学生さんたちと向き合ってると、大学受験生たちの対応だったり、学位論文の追い込みにあれやこれやと気を揉んだり厳しい言葉や優しい言葉を緩急つけて投げかけたり、若者の人生を左右しかねない大切な…

You were the spark

HONNEのby my side聴いてる時、いっつも何回目かのサビのとこで現れる You were the spark That lead the path to carry on に、心が持ってかれてたまらなくなる。 open.spotify.com いいなあ、You were the sparkかあ。日本語で「あなたは私にとって火花だ…

日記・ぼやき

30歳になったからなのか知らんが「彼氏は?」とか「アプリとかしないの?」って大学院生のころからの知合いに聞かれるのがチクチク胸に刺さってきて息苦しい。最後に恋人がいたのは2年前でその人と付き合っていた話を親しい友人以外にしていないから、20代…

短歌とか俳句とか

短歌に夢中になったのは無傷ちゃんの影響で、ブログを始めたのも無傷ちゃんが理由だった気がする.無傷ちゃん、あなたはいつかこれをインターネット上からすべて消してしまいそうですが私は、きっとこれからもこの「海をひとつの」の連作が好きです.あんま…

あなたとわたし・頭の中の爆発音

バンちゃんは研究室の同級生で、首席で表彰されるくらい頭が良かった。皿洗いやそうじをきちんとこなしている一人暮らしの男の子特有の不器用で几帳面なガサガサの手を見るたびに、めちゃくちゃな裁縫技術でつくろわれた洋服のツギハギを見るたび、こいつは…

「オレンジジュース飲みたい」

自分が幼児の時に親や祖父母にやってしまった理不尽な仕打ちで一等鮮明に覚えているのが、「オレンジジュース飲みたい」と延々泣いていた事件。どこが酷い仕打ちかと言うと、延々泣き続ける小さい子供を気の毒に思った父親が紙パックのオレンジジュースを調…

ハートの絵文字を好きな人に使えない人生であった

好きな男の子の誕生日が先週で、その日におめでとうと言いたかったのに、書類で偶然目にした誕生日を覚え続けてる職場の先輩ってかなりキモいだろうなと思って何も言えなかった。ヘタレなのか常識人なのか。たぶんそのどっちもだけど、恋愛という範疇でだけ…

「また一つあかりが落ちて」

HomecomingsのHereの歌詞が美しくてずっと聴いてしまう HereHomecomingsJ-Pop¥255provided courtesy of iTunes また一つあかりが落ちて 街の温度が少し下がる なりたくもないものに変身して 誰かの涙が落ちてく なりたくもないものに変身して、のところで、…

日記:振るわない日・寒さ

寒いせいで色々おかしくなってしまってもうダメだ。北国生まれ北国育ちなのに本当に寒さに弱い。北国の家は機密性が高くて暖かい。北国の家にはオイルヒーターも灯油ストーブもある。しかし私の住んでるマンションの部屋にはエアコンしかない。本当は灯油ス…

夢の話:宇宙でエキストラ

宇宙に行くため研究の進捗が数週間ほど望めない、とI先輩が私と彼の指導教官に報告してくる。「スターウォーズの新作がでるらしくてさ、それのエキストラ募集してたから、こんな機会逃すまいと思って応募しちゃったよね」、ともったいぶったような回りくどい…

日記:30歳の誕生日

30歳になる週末をずっと心待ちにしていて、「いったいどうやってこの日を素敵な記憶に残る日にしたものか」とわくわくしてたのに、いざ誕生日が近づいてくるとそれは仕事がしたくてしたくてたまらない週の週末となってしまった。 車を借りて海や渓谷の美し…

夢の話:好きな子の温度

料理を取ろうと伸ばした私の腕に交差するようににょきっと腕が伸びてきて、腕の主である、好きな男の子がちょっと体制を崩したほんのわずかな時間に、私の手の甲に彼の腋が当たってしまう。ほんのわずかなわずかな時間のことだったのに彼の腋のほの温かさが…

世界が明日もし終わるなら

100万円あったら何をする?とか、死ぬ前になんでも好きなものを食べるとしたら何を食べたい?、みたいな、答えによって自分の人間性を推し測られそうな、浮世離れした質問をされると、変なところで真面目な性分が災いして、体がしばし硬直する。でも、「世界…

今はもう無い焼き鳥屋

「安樂」は、二次会、三次会、四次会…と進んでいく夜、どうにか生き残った面々でなだれ込む不思議な焼き鳥屋だった。 20人以上の大人数、安い居酒屋チェーンからコマを始めたのに、気づけば5、6人にも満たない数にもなっている。 二次会、三次会と、ソフトド…

日記:ひからびた紫陽花

職場のイベントで祝花が大量に届いた。イベントが終わって、好きなだけもってかえって良いとの通達が出て、めいめいが思い思いの花束を作り出す。 せっかくのバラの花を茎の部分からぽきっと折ってしまった男性が西の訛りの混じる口調でもったいないことをし…

別に泣かせられなくて良い

カポーティの初期短編集「ここから世界が始まる」がハードカバーの時の表紙そのままに文庫化されているのを発見した!宝物を掘りあてた嬉しい気持ちで、休日特有の長い長いレジまでの行列に並ぶ。よろよろと小銭を出す先頭のご隠居さん達を幾人か見送り、嬉…

Good together

Good Together - song and lyrics by HONNE | Spotify 眠れなかったりご飯が食べられなくなったり自分が弱くなってることに苦しんだりしてたのに、会社を辞めると決めた途端そういう毎日がパタっと終わった。ついでに暑くて苦しい夏も急に終わって肌寒い秋に…