ここから一番遠い海

夢日記,昔話

くろしおという名の船、black tideのビール

酔っ払ってフラフラになりながら、毎晩言いたくて眠る前に胸をキリキリさせてた「付き合ってください」を、好きな男の子に伝えた夜、本当はそういう言葉を伝える覚悟なんて全然なかった。

 

好きな男の子と、最近割とたくさんおしゃべりできていて、それが割と楽しくって、前みたいに恥ずかしさや緊張で年甲斐もなく顔が赤くならなくなってたから、今日なら自分が大好きな焼き鳥屋さんや美味しいポテトフライを出すお店で楽しくリラックスして一緒に過ごせる気がして、ちょっと頑張ってみようと思ってただけだった。

 

でもその時、好きな男の子に釣られて飲むことにしたクラフトビールの、青くてかわいいパッケージに、black tide brewingって文字とかYesssss!ってビールの名前なんかが書かれていて、それが「今日いうべき」というサインなんだと思ってしまったのだ。

 

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なにもYessssss!って言葉に彼からOKがもらえると浮き足だったわけではなくて。

Yesという英単語をパッとみた時に私が思い出すのは、ジョンレノンがオノヨーコの作品から受け取った、受容とか平和とか肯定的であるということへの大きな愛だ。

 

1966年、ロンドンのインディカ画廊で、オノ・ヨーコが発表した作品 "Ceiling Painting" は、部屋の中央に置いてある梯子を観客が昇って天井を虫眼鏡で覗くと小さな文字で「YES」と書いてあるものでした。これを見たジョン・レノンが、「その言葉がNOであったら失望したが、YESとあったので救われた」と述べたことは有名なエピソードとして知られています。本展のタイトル「YES」に込められているのは、肯定的にものごとをとらえてゆくオノ・ヨーコの作品や活動を象徴するものです。

https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_158.html

 

そして、black tide(くろしお)はいつか私が夢で好きな男の子に会いに行くために乗っていた船の名前だった。

夢の話 - ここから一番遠い海

 

パッケージを見た時にその二つのことがすっと脳裏によぎって、今日彼に気持ちを伝える、と言うことを何か大きな存在に肯定してもらえているような気がした。

 

夢の中でくろしおという船がどこにも辿り着かなかったように、結局私は現実でも彼には辿り着けなかった。サインと感じたものも要はただの偶然なのだとわかってる。でも、こう言う小さいことからポジティブなサインを受け取って、自分のためになる行動ができたのって私にとってはまさしく虫眼鏡の中のちいさな「Yes」くらい大きな出来事だった。