ここから一番遠い海

夢日記,昔話

短歌とか俳句とか

短歌に夢中になったのは無傷ちゃんの影響で、ブログを始めたのも無傷ちゃんが理由だった気がする.無傷ちゃん、あなたはいつかこれをインターネット上からすべて消してしまいそうですが私は、きっとこれからもこの「海をひとつの」の連作が好きです.あんまいいことじゃない気がするけどあなたの連作の中でよく口の中で転がすものを引用させていただきます.

「ぼくの背にたてがみが生えきみの手に鱗が生える夢ばかり見る」

「海のある街で育った 海のある街に鍵屋はひとつもなかった」

「雨よ 落ちることが生きることで寂しくはないか 触れたい街はないか」

「海をひとつのこころと思えば潮風に肺がくるしいぼくもこころで」

「さだめなら喰い飽きるだけ人間のしてきたように無傷で帰ろう」

 

いろいろとままならぬけれど生き延びて生き続けていく.

 

今年は歌集や句集数冊をいくつかKindleで買い読み漁った.

「冷蔵庫が息づく夜にお互いの本のページがめくられる音」

穂村弘 『もしもし、運命の人ですか』 角川文庫

 

「初手の黒の石を置くように教室に座って後手の君を待ってた」

「透明人間の君と海にゆく波が体を揺らす夕暮れ」

「草むらに牛舎の匂う駅に立ち西の訛りの改札を出る」

竹内亮 『タルト・タタンと炭酸水 新鋭短歌シリーズ』

岡潔が「数学する人生(新潮文庫)」で「情緒」についていろいろ語っている際によく芭蕉の俳句を持ち出していたのもあいまった.

「ほろほろと山吹散るか滝の音」

松尾芭蕉

「ほろほろ」と「山吹」が「散る」.よいなあ.言葉が出ない.