いつからはっきり自覚しだしたのかわからないけど私は青い色が好き
おろしたてのジーンズの色
秋の日の空の色
ガラス瓶のもうっとりする青さ
大事に身に着けているセーターの深い色
冬の海という名前の付いた、コートによく映えるマフラーの暗い青色
お祖母ちゃんから引き継いだシルクのスカーフの紺色
私が青い色を好きなのは
それが気持ちを高揚させたり恍惚とさせたりする作用だから、というだけじゃなくて
心を落ち着かせてくれるよりどころであり私にとっての情熱の現れだからだ
「青は集中力を高める効果がある」という記述をどこかで目にしたときから
青い色のことを意識しだした
青い色に本当に集中力を高めてくれる効果があるのかわからないけれど
「心を研ぎ澄ませてくれる色なのだ」という青い色への意識こそが青い色への愛情や信頼をどんどん高めていった
本当に熱い炎は赤ではなく青い色をしているという話が好きだ
青い炎と赤い炎のことを想うとき、いつも同時に「熱意とは目に見えないものだ」という言葉も思い出す
大学受験を控えた高校3年生の頃通っていた予備校で画面の向こうの塾講師がいっていた言葉だ
熱意という言葉を語るとき、人はどうしても「熱血教師」という言葉に代表されるような、血潮や炎の赤い色を連想してしまうし、そういうものを具現化したような言動をとる人間のことを指しがちだけれど
本当の熱意や固い意志というものはむしろ静かで目に見えるようなものではないのだとその講師は言っていた気がする
そうやって青い色について思いをはせると次に青い色は一番透明に近い色なんじゃないかと思い当たる
限りなく透明に近いブルーなんて小説のタイトルがあるみたいに
空や海がなぜか青く見えるように
私は青い色が好き