ここから一番遠い海

夢日記,昔話

受容された狂気

最近、好きな男の子から良い匂いがする

「洗濯機を新しくしたんですよ」とこの間話してくれた。

彼のうちに新しくやってきてすまし顔で鎮座しているその洗濯機で洗ったタオルは信じられないくらいフワフワに仕あがるらしい

彼がそばにやってくると甘い香りがする

いつも澄ましてクールに決めている男の子からそんな匂いがするのがなんだか可愛く私は居ても立っても居られない

はて、匂いなんてしますか、というような顔を取り繕って仕事に取り組むけど水面下ではもう大変だ

好きな男の子のことを可愛いな、と思う気持ちが甘い香りと一緒に体の中いっぱいに充満していく

正気じゃいられない

愛や恋について語る映画をたくさん見てきたけど、その中でいっとう気に入ってる表現がある

socially accepted insanity(社会的に受け入れられている狂気)だ。

ホアキンフェニックスとルーニーマーラーがでていた、herという映画で、恋を経験した主人公に友人がそう言葉をかけてあげる。

洗濯物の香りについて、こうやってインターネットに書き込まれる彼のことを思うと、私は私のしてることがいかに狂っているかよくわかって申し訳なくなる

でも、それでも、

若い男の子から漂う柔軟剤のにおいで頭がいっぱいになってしまう28歳でも、

その心のありようを恋と呼ぶ限り社会に受容されるらしい