ここから一番遠い海

夢日記,昔話

ラ・ラ・ランドは苦手

ラ・ラ・ランド金曜ロードショーで放映されてた。おお、金曜ロードショーもなかなか頑張るじゃないかと思ったけど、ラ・ラ・ランドはもう2年前の映画か。ちょうど国際学会でイタリアにいくフライトの中で鑑賞した。

金曜日の夜はありとあらゆる人が色々な形でラ・ラ・ランドについて思いのたけを垂れ流していたんだろう。そういうコメントの一つ一つが憎たらしいのでなるべくインターネットを見ないようにしていた。

ハッピーエンドのその先を描いた名作とか、素敵なミュージカルとかそんなこと言えないくらいに私はミアの立場に没入してしまう。自分の目標のために恋人とどんどん離れていく彼女の運命とか、遠距離恋愛中の恋人と久しぶりに会えたのに、口げんかしてしまう夜だとかの一つ一つにいちいち失恋の思い出がよみがえる。まるで自分の失恋を娯楽として消費されているような気分になる。

初めて見た2年前は息もできなかった、映画についての感想を言うこともできなかった。治そうと必死の傷跡をもう一度同じ刃物で深くなぞられているような気分だった。2年たって失恋から立ち直り新たに恋人ができたいまでも、ラ・ラ・ランドは苦手だ。強烈な映画だ。パワーのある映画だ。
自分の物語がスクリーンの中にあるような気がして気圧されてしまう。