ここから一番遠い海

夢日記,昔話

クマのぬいぐるみ

宇多田ヒカルがクマのぬいぐるみを大層可愛がっているという話が好き。

 

彼女がクマのぬいぐるみに寄せてる愛着の大きさっていうのは、ぬいぐるみいっぱんをあまり必要としていない大人にとって、ちょっと信じられないくらいのもので、狂気じみてると言わんばかりに特集してる記事なんかもある。

レストランで向かいの席にクマを座らせて食事したり、そのクマがゲイだと世界の人に紹介したり。

 

私のうちにも年季の入ったデカめのクマのぬいぐるみがある。垂直に起立させたら、知り合いの5歳児と同じかそれ以上の背丈があった。

食卓の空いている席にはクマを座らせるし、クマにただいまのあいさつをする。辛い夜にクマに向かって弱音を吐いて涙を流したりする。

 

同じようなことをして心を鎮めたり和らげたりするから、宇多田ヒカルと彼女のうちのクマちゃんを見るたび心に何か明るい灯が点ったような気持ちになる。

 

私たちはそもそも皆弱い存在で、誰もが何かしら私や宇多田ヒカルにとってのクマのぬいぐるみみたいなものを持っているんだと思う。

ギャンブルやお酒の人もいれば、ゲームや自撮り、美容やファッション、ペットの人もいる。そういう心の弱い部分をクマのぬいぐるみに支えてもらってるのって、(見る人によってはものすごく歪で気持ち悪いのかもしれないけど、)そんなに悪いことじゃないですよ。