誰かに読まれることを期待して書かれた文章のおしつけがましさ、つまらなさ
誰かに読まれることなんてはなから期待せず、ただ、「そうすることしかできなかった」と言わんばかりに、人が激情をぶつけて書いたような文章
あの魅力はなんなんだろう
面白いな、良いなと思う本やエッセイの著者は決まって、壁に向かって話している
あの人たちは私たちに話しかけていない
彼らが実に個人的なことを、たまたま「エッセイ」や「物語」という形をとって独白している
たまたま、私たちがそれを紙面で読める
「最も個人的なことこそ最もクリエイティブ」なのか
ポン・ジュノがいったように
誰かに読んでほしい、伝えたいと思った感情を起点にした文章より
書かずにいられなかった、どう対処してよいかわからなかった激情の方が
結果的によい文章になっている気がする
私もまた壁に激情をぶつけつづける