ここから一番遠い海

夢日記,昔話

クリスマスイブ

好きな男の子の昔の恋人の話を聞いていとも簡単に心が死んだ。

 

クリスマスコフレってなんなんだろうってずっと思っているんだ、絶対に使えないか、使いにくいような色が必ず一つ混じったパレットなんかが限定品として売られているんだけど…

と言ったところで、好きな男の子が昔付き合ってた恋人がそういうものを好んでよく買っていたと話だしてあっという間に心が死んだ。

その子がパッケージのかわいさに買っていたという話を例に、装丁の美しさに買う人がいるんだろう、と彼の持論が続いたけどもうあんまりよく聞こえなかった。

 

好きな男の子といつにも増してたくさんおしゃべりできたし、私が持ってきたお菓子をおやつにつまんでくれたし、年末何をして過ごすか教えてもらえたのに、その一点が小さく胸に刺さって苦い気持ちになる。

 

彼は昔、クリスマスコフレを買うのに喜びを見出せるような子と付き合っていて、私はクリスマスコフレの意味がよくわからなくて。

 

 

 

クリスマスイブだっていうのに、数年前に辞めた職場で、一方的に親しみを持たれていた50代の男性から、ランチを共にしようと誘われて疲れていた。

女性から向けられる礼儀正しさを、自分が特別に敬われ、親しまれ、好かれている証だと信じ込む中年の男性が非常に多い職場だった。退職の理由のうちの小さな一つが彼らのような、不躾で距離感のおかしな人たちとのコミュニケーションに自信を無くしたことがあるのだけど、当の原因たちに「会社が嫌で辞めたわけじゃないってボクは知ってるよ!」と笑顔で言われるので、心がどんどん凍りついていった。彼が今の職場にやってくると思うだけで朝からずっと頭が痛かった。自分にしては珍しくきっぱりと断ったのに、末永く仲良くしていこうね、と渡された要らないカレンダーが重い。

 

疲れてはててぐったりしていると、好きな男の子がそっとそばにやってきて声をかけてくれて嬉しかった。

疲れているなりにはしゃいで、クリスマスっぽい話なんかをした。

 

そして、クリスマスコフレの話をしてしまい自爆した。

 

私もクリスマスコフレを喜んで買うような女の子だったらよかったんだろうか?それともこのままでいいんだろうか?

 

わかんないなあ