ここから一番遠い海

夢日記,昔話

それ、苦手な食べ物ですよね

トッポギって美味いですよね、と後輩に話しかけられて適当に楽しくあいづちを打っていたら横からぬっと好きな男の子が現れて、「でも、それ、(私の名前)さん苦手ですよね?」とちゃちを入れてきた。

 

私はお餅が食べられなくて、餅米なんかを使ったお菓子も苦手で、食べられない。当然、お雑煮もトッポギも食べられない。お土産物で信玄餅赤福阿闍梨餅なんかをもらう度食べられないからいいよ、と周りに触れ回ってきた。

でもそれにしたって、そうやって何度も言っていたって、覚えてもらえない時は覚えてもらえないものだ。アレルギーなんかと違って、重篤ではないただの好き嫌いだから、しょうがないことだ。特に不服に思ったりもしない。

 

でも、それにしたって、やっぱり覚えてもらえるのって嬉しい。それが好きな男の子だったらなおのことだ。

 

前に付き合っていた男は、何度話しても私が餅米類を食べられないということを忘れ、懲りずに阿闍梨赤福なんかを買ってきた。そういう彼の雑さを全部しょうがないかな、完璧な人なんていないし、と飲み込んでいたけど、好きな男の子が、トッポギ苦手ですよね、と言ってくれただけでこんなに嬉しい。

 

心の中に自分という人間のスペースをあけてもらえた、そのことが自分を生かしてくれる気がする。

 

昔付き合ってた男と今片想いしてる好きな男の子を比べるのって全然良いことでも健全なことでもないけど、でも、今こんなに幸せだと思えるんなら、そんなに悪くないのかな、なんて、月並みなことを思ったりする。