ここから一番遠い海

夢日記,昔話

好きな男の子のはなし220125

好きな男の子が職場に戻ってきてくれた!

「自宅だとなかなか集中できないから」といって通勤してきてくれた日、彼の足音が聞こえるだけで、もしかして、もしかして、という期待からくる胸の動悸でちょっと苦しかった。

彼が隣の席に座るとき、自然におはようと言いたいのに、いつもタイミングを見計らいすぎておはようが言えない。

やっとの思いで絞り出したおはようの声は小さすぎて彼が上着を脱ぐガサゴソとした動作と音に紛れて届くことはなかった。

 

嬉しい。

そこに、好きな男の子がいる。

好きな男の子がキーボードを叩く音が小気味よくて、がらんとした暗いオフィスにあった孤独感、寂寥感が一瞬で消える。耳が熱くなってくる。心の中が明るい色に染まってくのに応じて体に出てくるそういう変化が恥ずかしい。バレたくないと思うのにうっすら汗ばんでくる。

 

人間に生まれてよかった。

もしも犬に生まれてたら、多分いま尻尾がはち切れてる。耳が熱くなるどころじゃ済まされない。

 

みんながいないから私もなかなか集中できなかったの、と雑談の時言ったけど、本当はみんなじゃなくてあなたがいてくれればそれだけでこんなに嬉しい。

 

お昼ご飯を一人で食べている間、意味もなく、心の中で好きな男の子の下の名前を君付けで呼んでまた耳が熱くなった。

ぶんぶん暴れる尻尾がなくてよかった。

 

明日もまた好きな男の子に会いたいな。